チョロチョロと漏れるトイレ水漏れの応急処置

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ミズのホットライン鈴木

年間訪問件数は約500件。水道緊急業界20年の経験があります。 関連保有資格は給水装置工事主任技術者、排水設備工事責任技術者、管工事施工管理技士など。ご相談は0120-861-688またはLINEから

トイレの水漏れ。始めはチョロチョロという音や便器内への微かな水漏れから始まることも多いです。これらは小さなサインですが、放置すると徐々に悪化していきます。

本記事では、一般的なタンク付き洋式トイレからの水漏れに迅速に対処する方法から、長期的なトラブルを未然に防ぐ予防策までを紹介します。

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トイレ水漏れの原因を特定する

トイレからの水漏れやチョロチョロという音は、生活において非常に大きな問題です。このような状況では、まず原因を特定することが重要です。原因を知ることで、適切な対処法を選択できます。

チョロチョロ音の主な原因

トイレからチョロチョロと音がするおもな原因は、タンク内の水が絶えず流れ続けていることです。これは、以下のような原因により発生することがあります。

  1. フロートの故障:フロート(排水弁)が正しく閉じない場合、水が便器に絶えず流れ続け、チョロチョロという音が発生します。故障のほかに、タンク内に投入する芳香洗浄剤がはさまったり、異物によって引き起こされる事例も散見されます。
  2. ボールタップの不具合:ボールタップが故障したり動作不良をおこすと、タンク内の水位が上がり過ぎる場合があります。タンク内で一定水量をオーバーした水がオーバーフロー管から流れ出し、絶え間ない水流の音が生じます。

これらの部品は摩耗や劣化によって不具合を起こすことが多く、定期的な点検と交換が必要です。

また、節水のためタンク内に入れたペットボトルや瓶が、内部の部品の正常な動きを阻害する事例もあるので、タンク内に物を入れるのは控えるようにしましょう。

水漏れ箇所の見つけ方

水漏れ箇所を特定するためには、以下のステップを試してみてください。

タンクに手洗い管が付いているタイプの場合は、タンクの蓋を開けるとき手洗い管につながっているホースが抜けることがあるので注意して行なってください。

  1. フロートのチェック:ボールタップの浮き球が水面に浮かんでいる状態で、タンク底部のフロート(排水弁)がしっかり閉じているか確認します。異物がはさまっていないかの確認や、フロートを軽く押し下げてみて水の流れが止まる場合、調整や修理が必要です。フロートを触った指が真っ黒になったら劣化や摩耗のサインです。
  2. 外側のチェック:タンクや便器の外側、あるいは床に水が滲んでいないかを確認します。水漏れが見つかった場合、タンクと便器の接続部のパッキンやジョイント、または温水洗浄便座の故障が原因かもしれません。また手洗い管が付いている場合、タンク内で手洗い管につながっている給水ホースがきちんと接続されているかも確認します。もし外れていたら自身で簡単につなげるので、しっかりと接続してください。

水漏れの原因を特定することで、適切な応急処置や修理方法を選ぶことができます。ただし、自分での診断に自信がない場合は、プロの水道業者に相談することをおすすめします。より迅速かつ確実に問題を解決できるでしょう。

応急処置の基本ステップ

トイレからの水漏れを発見した場合、放置することで悪化や水道料金の増加につながる可能性があります。以下は、トイレの水漏れに対する応急処置の基本ステップです。

水の元栓を閉める

便器内や床の水漏れを発見し、タンクへの給水が止まらないときや、温水洗浄便座の水漏れが考えられる場合は、まずトイレの水の元栓を閉めましょう。

トイレの近く、通常は床や壁ぎわに止水栓があります。このバルブを時計回りに回して水の供給を止めてください。マイナスドライバーで開閉するタイプもあります。もし元栓が固くて動かない場合は無理に回さず、家全体の元栓を閉めて止水してください。

水漏れ部分を一時的に封じる方法

トイレの外側に水漏れがある場合、床などを守るための応急処置を行います。これは水漏れの被害を最小限に抑え、修理までの間使用上の不便を軽減するために重要です。

  • 接続部分の漏れ: 給水フレキ管や各ジョイントなどからの漏れは、タオルやペットシート、防水系のテープなどを使って水漏れ部分を覆うことで一時的に封じます。オムツや生理用ナプキンなどでも対応できます。漏れている部分をしっかりと巻いてください。
  • 床への水漏れ:床に漏れた水をしっかりと拭き取り、吸水性のあるタオルやペットシートで覆うなどして、新たな水漏れに備えます。マンションの上階などでは、階下漏水の恐れがあるため早急に処置が必要です。

これらの応急処置はあくまで一時的なものです。水漏れの根本的な解決には、部品の交換や修理が必要になることがほとんどです。不安な場合や自信がない場合は、早めにプロの水道業者に連絡し、適切な対処を依頼することをおすすめします。

トイレ水漏れのプロによる修理ガイド

トイレの水漏れは、放置すると建物への損害や水道料金の無駄遣いにつながるため、早めの対処が必要です。自分での応急処置も重要ですが、根本的な解決のためには専門家による修理が安心です。ここでは、プロによる修理を検討すべきタイミングと、修理費用の相場について解説します。

修理を依頼するタイミング

  • 自身でも改善されない場合: 自分で修理を行ったにも関わらず水漏れが止まらない。または短期間で再発する場合は、専門家に依頼するべきです。
  • 水漏れの原因が特定できない場合: 水漏れの原因がはっきりしない場合や、複数箇所から漏れているように見える場合は、専門的な知識と経験を持つプロに診てもらうことが重要です。
  • トイレ以外にも水漏れが見られる場合: トイレ周りだけでなく、家の他の部分でも水漏れが発生している場合は、設備全体の問題の可能性があります。このような場合、一刻も早くプロに依頼してください。

修理費用の相場感

トイレの水漏れ修理費用は、漏れの原因や修理の内容によって大きく異なります。一般的に、以下のような相場が考えられます。

  • 小さな修理(パッキンの交換やタンク内部品の調整など): 数千円から1万円程度
  • 部品交換が必要な場合(ボールタップやフロートの交換など): 1万円から3万円程度
  • トイレ全体の交換や、配管工事が必要な場合: 5万円以上が目安となります。

これらの費用はあくまで目安であり、依頼する業者や地域、作業の緊急度によっても変動します。修理を依頼する際は見積もりの確認と費用についての説明を、作業の前に聞いておくことをおすすめします。修理費用だけでなく、対応の速さやアフターフォローなど、トータル的な判断が緊急時の業者選定の際に重要なポイントとなります。

水漏れの修理は、早期に適切な対応を行うことで、余計な出費や大きなトラブルを防ぐことができます。不安や疑問がある場合は、迷わず専門のプロに相談しましょう。

トイレ交換の事例

「トイレタンク内のオーバーフロー管が折れてしまった」とご連絡をいただいた際の事例です。

タンク内の部品交換での対応も可能でしたが、トイレの使用年数や今後新たに起こりうる問題への懸念、長期的なコストを考慮して、トイレ交換を選択されました。

オーバーフロー管(撮影のためレバー側のタンク上部に置かれているクリーム色の管)が根元から折れています。

トイレ交換1_オーバーフロー管の故障

まずは温水洗浄便座や給水周りの管を取り外します。

トイレ交換2_便座と給水周りの取り外し

タンクを取り外します。

トイレ交換3_タンクの取り外し

続いて便器や古いパーツを取り外し排水管が見えている状態になっています。

トイレ交換4_便器や古いパーツを取り外し

新しい便器を取り付ける準備をします。

トイレ交換5_新しい便器を取り付ける準備

便器取り付け用の排水管を設置します。

トイレ交換6_排水管を設置

新しい便器を設置します。

トイレ交換7_新しい便器を設置

タンクを取り付けます。

トイレ交換8_タンク取り付け

温水洗浄便座を取り付け、給水周りの配管を繋ぎ完了です。

トイレ交換9_温水洗浄便座を取り付け、給水周りの配管を繋ぎ完了

トイレ水漏れを未然に防ぐ予防策

トイレの水漏れは、ひどくなると日常生活に支障をきたすだけでなく、修理にも高額な費用がかかることがあります。しかし、できる限りの手入れや対策を行なうことで、長持ちさせたり、水漏れリスクを軽減させることも可能です。

トイレの水漏れ予防策
  1. 定期的な点検を行う:
    • トイレの各部品は経年劣化するものです。フロートなど、水漏れの原因となりやすい部品の状態を定期的にチェックし、必要であれば交換しましょう。
  2. 適切な清掃を心がける:
    • トイレのタンク内部も定期的に洗浄することができます。特に水質によってはタンク内部に堆積物が溜まりやすくなります。漬けおきして流すだけのやさしい方法もあるので、内部の部品を傷めないよう注意して適切な方法で実施しましょう。
  3. 異音や異常に注意する:
    • トイレの使用中や使用後に異常な音(チョロチョロ流れる音など)がする場合、それは何らかの問題のサインかもしれません。早期に原因を特定し、対処することが重要です。
  4. 節水型トイレへの交換を検討する:
  • 古いトイレは水漏れが発生しやすいだけでなく、水の消費量も多い傾向にあります。節水型のトイレに交換することで、水漏れリスクを減らし水道料金の節約にもつながります。

関連記事:節水型トイレが詰まる原因と効果的な対処法をプロが解説

まとめ

トイレの水漏れは、適切な措置によってその発生リスクを軽減することができます。便器への水漏れが発生しタンク内への給水が止まらないときや、温水洗浄便座の水漏れが疑われるときは、まずは水の元栓を閉めましょう。トイレの外側に水漏れが及んでいるときは、可能な限り自身での応急処置を施しましょう。

また、定期的なチェックや必要に応じたメンテナンス、適切な清掃は、トイレを長持ちさせる鍵となります。トイレのトラブルは小さなサインから始まることも多いため、早めに見つけることがポイントです。

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